卒業と入学の時期は不安と期待にあふれた贅沢な時間

卒業してから次の学校に入学するまでの間の時期は特別な時期だ。

そのことを毎年2-3月に思い出す。

この季節はいつも寂しい思いと結びついている。というのも中学から高校に進学する場合と、高校から大学に行く場合、私はいつも一人だった。

中学から高校に移ったとき、同じ中学から自分の高校に入ったのは確かに何人かいたけれども、誰も親しい友達はその中にいなかった。身体測定や入学手続きといった入学前の中のチェックに行くときはいつも一人だった。

それは大学のときも同じだった。同じ高校から東大に行ったのは私一人。だから初めは一人だった。ドイツの大学院に留学したときも同じ。といっても大学や留学は友達と一緒にする人なんかいないと思うから、私の場合は、例外ではなく普通だと思う。

だから、新しい状況に向かう前の期間は何らかのメランコリーと結びついていた。ただ、その期間は同時に、次の新しい段階への準備期間のようでもあり、楽しかった。

例えば受験勉強のために時間がなかったので観れなかった映画を見たり、やり残したことができた。そうした時間は大変貴重だった。受験勉強から解放され、何ら良心の呵責もなく自由を楽しめた。心の底から自由を感じ取れた貴重な時間だった。

準備というの楽なものだ。試験があった試されるわけでもなく、何らプレッシャーもないからだ。あるのは、何かを終わらせたという達成感と、漠然とした未来への不安だけ。

だからこの時期になるとそうした青春の思い出に浸る。卒業と入学に挟まれたこの時間は甘酸っぱくも至福に満ちた時間だったのかもしれない。

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